デング熱が心配です。子どもの蚊よけはどうしたらよいですか?(2025年6月)

Q: デング熱が心配です。子どもの蚊よけはどうしたらよいですか?

A: 蚊よけには2種類あり、体に直接つけるものと、蚊帳や長袖長ズボンの服など蚊の侵入を防ぐものがあります。今回は体に直接つける蚊よけ剤について調べてみました。

蚊よけ剤には様々なものが市販されていますが、 DEET (N,N-diethyl-m-toluamide), picaridin、IR3535などを含むものが、植物由来のものより効果があるとされています1)。その中でもDEETとpicaridinは子どもにもよく使用されています。

使用にあたっての注意事項は以下の通りです。

(シンガポールの公立こどもと女性の病院KKホスピタルのサイトより2))

・2か月未満の赤ちゃんへのDEETの使用は避けましょう

・3歳未満の子どもへのユーカリオイルの使用は避けましょう

・2か月以上の子どもにDEETを使用する時は7‐20%の低濃度のものを使いましょう

・妊婦はDEETの使用を減らすようにし、使用する時は服の上にかけましょう

・DEET20‐30%は大人には使うことが出来ます

ユーカリオイルは誤飲したり皮膚から吸収されたりすることで、小さい子どもへの使用は害となることがあります。よくある症状としては咳や嘔吐、稀に痙攣の報告もあります。3歳以下のお子さんには使わないようにしましょう2)。

10%DEETは2時間、30%DEETは5時間の蚊よけ作用があります。50%以上の濃度でさらに作用時間が延長されるというデータはないそうです3,4)。

5%picaridinは3‐4時間、20%は8‐12時間の蚊よけ効果があります4,5)。

米国のEnvironmental Protection Agencyによると「DEETの小児への使用は濃度や年齢の制限なく使用が許可されている」6)とありますが、各国小児科学会などによると低濃度のものを生後2-6か月以降にと勧めていることが多いようです。Picaridinについても同様に小児に使用できる蚊よけとして知られていますが、低年齢には低濃度から必要に応じて使用するのが良いようです。

2か月未満の赤ちゃんについては、ベビーカーにネットを付けたり、明るい色の長袖長ズボンの服を着せたりすることで蚊よけに努めましょう。

子どもに蚊よけを塗布する時は、子どもの手につけないようにしましょう。蚊よけ成分が口や目に入ることがあります。大人の手に塗布し、子どもの皮膚や着衣に塗布しましょう。子どもに蚊よけを触らせないようにしましょう。