MMR(おたふくかぜ 麻しん 風しん)
MMRV(おたふくかぜ 麻しん 風しん 水痘)
MMR/MMRV
おたふくかぜ
流行性耳下腺炎あるいはムンプスとも呼ばれるムンプスウイルスによる感染症です。2~3週間の潜伏期の後、耳下腺、顎下腺、舌下腺等の唾液腺の腫脹と圧痛を主症状として発症します。耳下腺の腫脹は発症後1~3日でピークとなり、約1週間で消退します。発熱を伴い、合併症としては精巣炎、卵巣炎、膵炎、無菌性髄膜炎、および感音性難聴等があります。難聴になると聴力の回復が困難であり、おたふくかぜの合併症で最も警戒すべきものの一つと考えられています。
麻しん
はしかとも呼ばれる急性発熱性発疹症をおこすパラミクソウイルス科に属する麻しんウイルスによる感染症です。10~12日の潜伏期の後にカタル症状(鼻汁、咳嗽、結膜充血)と共に高熱が数日続き一旦解熱すると再び高熱、全身の発疹が出現し4~5日続きます。時に重症の肺炎や脳炎を合併症で認めます。一旦罹患すると感染から回復期までの約1ヵ月間は免疫低下状態が生じる為、他の感染に罹るとさらに重篤になる可能性があります。
風しん
トガウイルス科に属する風疹ウイルスの感染によっておこる急性発熱性発疹症です。潜伏期間は約2~3週間で主な症状は発疹、発熱、リンパ節腫脹です。症状は比較的軽く、予後は一般的に良好ですが、血小板減少性紫斑病、脳炎等の合併症が稀に発症する事があります。又、妊娠20週までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると胎児も感染し、出生時に難聴、先天性心疾患、白内障、精神運動発達遅滞等のいわゆるCRS(先天性風疹症候群)を発症する可能性が高くワクチンによる予防が大切です。
水痘
みずぼうそうとも呼ばれ、水痘帯状疱疹ウイルスの初感染によって起こる感染症です。感染力が強く、ワクチンを受けない場合には5歳までに約80%の小児が罹患します。主な症状は発疹、発熱です。発疹は丘疹、水疱、膿疱、痂皮と移行します。
健康な小児の場合は一般的に軽症で済みますが、基礎疾患のある場合や成人では重症化する事が多くなり、特に免疫機能が低下した者が罹患すると死に至る事があります。出産前5日~出産後2日までに妊婦が発症すると、出生した児も極めて重篤な水痘を発症します。また、妊娠20週までの妊婦が罹患した場合、児が先天性水痘症候群(低出生体重児、四肢低形成、脳炎、小頭症、脈絡網膜炎等)として出生する場合があります。
年 齢 | ワクチンスケジュール | ||
MMR(Priorix®) | 1歳~ | 1歳で1回 | 1回目はMMR+V |
Varicella(Varilrix®) | 1歳~ | 1歳で1回 | |
MMRV(ProQuad®) | 1歳3ヵ月~ | 1歳3ヵ月~1歳6ヵ月 | 2回目はMMRV |
※日本で4種混合を途中まで接種されてから渡星された方につきましてはスケジュールが変わりますのでご相談下さい。