ジフテリア
ジフテリア菌Corynebacterium diphteriae による感染症で発熱、咽頭痛、嚥下痛で発症し 、喉頭炎をおこすと呼吸困難や気道閉塞から死に至ることもあります。日本では殆ど報告されませんが、アジア地域での流行は現在もあり注意が必要です。
百日せき
百日せき菌Bordetella pertussisによる感染症でけいれん性の咳発作と特に夜間に激しい、嘔吐を伴う咳を認めます。乳幼児期早期では咳が明確ではないまま無呼吸発作やチアノーゼ、けいれんを認めたりする事があります。生後6ヵ月未満で罹ると重症となり致命率も高くなるので予防しておきたい疾患です。
破傷風
破傷風菌Clostridium tetaniが産生する毒素により発症します。土壌中に芽胞の形で存在する菌が傷口から侵入し、後に毒素を産生して開口障害、嚥下困難等の神経症状で発症します。重篤になるとけいれん、呼吸筋麻痺による呼吸困難や窒息死に至ります。世界中の土壌に存在する菌で、どこにいても感染のリスクがあります。
Hib(インフルエンザ菌b型)
髄膜炎、敗血症、肺炎、関節炎、骨髄炎等の侵襲性感染症をおこす原因となる細菌です。特にHibによる髄膜炎は化学療法を行っても致死率は5%、てんかん、難聴、発育障害等の後遺症が残る場合もあります。抗菌薬による耐性菌も問題になっています。
ポリオ
殆どは不顕性感染(無症状)ですが、急性灰白髄炎という弛緩性の小児麻痺をおこす事が稀にあります。後遺症として運動障害が残り、延髄の呼吸中枢が障害されると呼吸麻痺により死亡するリスクのある感染症です。現在も一部の地域での流行が認められており、渡航前には成人も追加のポリオ接種が勧められます。