Q. デング熱ってどんな病気ですか?
A. デング熱は特定の蚊によって広がる感染症で、シンガポールでは年間通してみられます。
デング熱を媒介する蚊は、日中特に夜明け後と日没前に活動すると言われています。
蚊の行動範囲は数百メートルですので、デング熱を持った蚊が生息する水たまりの数百メートル以内で患者の集団発生がみられます。水たまりを作らないことはデング熱の大切な予防法の一つです。
病院で診断されたデング熱は政府に報告され、その情報を元に流行地域の地図が作成されウェブサイトで見ることができます。
ウェブサイト以外では、流行している地区に「デング熱流行地域」と危険度を赤・黄で示した垂れ幕が登場し、無事に流行が収まると緑の垂れ幕に変わります。
デング熱流行地域では、環境省の職員が自宅訪問し、ベランダや室内に水たまり(植木鉢の受け皿など)がないかチェックすることもあります。
個人で気をつけることとしては
・蚊に刺されないように長袖・長ズボンを履く
・皮膚が露出しているところは、DEET、Picaridin、IR3535が入った蚊よけを塗る(10%以下のDEETは2ヶ月の赤ちゃんから使えます)
・家・職場・学校での流行状況をマップで時々確認する
・自分の周辺で水たまりを作らないようにする
などです。
デング熱は7割ほどの人は症状が出ないと言われていますが、症状がある場合は、熱、発疹、頭痛、関節痛などがみられます。発疹は熱が出て数日から1週間ほど経ってみられることが多いです。
当院では、熱の初日から検査ができる採血検査を行っています。
治療は特効薬がないため、解熱鎮痛剤、水分摂取、安静などによる対症療法です。
出血しやすい状況になった人は入院することもあります。
<デング熱の流行状況が確認できる地図>
https://www.nea.gov.sg/dengue-zika/dengue/dengue-clusters
<デング熱の政府の情報サイト>
https://www.gov.sg/features/stop-dengue-now